2009年3月7日土曜日

これからはじめる デジタルビデオカメラの本 (自分で選べるパソコン到達点)

・・・という本をアマゾンで買ってみた。



これね。

ホームビデオが趣味とは言いつつ自分の撮影テクニックやら編集テクニックの拙さはいつまでたっても初心者レベルっていうんだよなこれ・・とは感じていたのでなにか役に立つ本はないかと思ってアマゾンで検索してそれっぽいタイトルの本に行き着いて深く考えずにぽちっちゃったのがこの本です。

さて商品が届きました。

手に取ってみての第一印象。ああそうか初心者向けの本って言うのはここまでレベルが低いんだったな・・。ということ。
デジタルビデオカメラとは?というところから、大きな商品写真やら図解やらをふんだんに使い、大きな字と少ない文章で、解説しています。「できる!なんとか」とか「超簡単!なんとか」みたいな本とそっくりのノリです。そっくりというか、そういう本そのものでした、これ。

う〜ん。いくらなんでもここからの説明はいらない。これよりもうちょっと上のレベルの本が欲しかったなあ。。でもなかなかそういう本はないんだよな。ビデオサロンとかもたまに読むけどあれはマニアックすぎ。そこまで凝らなくてもいいから初心者を脱している中級レベルっていうアマチュアをターゲットとした本や雑誌ってないものなのかね。

そうはいっても2000円近くする本なので何も得るものがないというのも寂しいものがあります。そこでこの本を読んで新たな発見があったことをメモしておきます。

まず「Part 1 これだけは知っておこう」・・・うーん、この章には、新しく得られる知識は完全にありませんでした。
次に「Part 2 撮影前の準備をしよう」・・・いやあ・・・この章にも、新しく得られる知識は全然ありませんでした。

・・・なんだか雲行きがあやしくなってきました。これまでのところ、2000円もした本が、まるまる2章、無駄ということです。
ここまでで全111ページ中の42ページまで進んでしまいました。

気を取り直して「Part 3 まずは一本撮ってみよう」

おっここには少しは新しい知見というものがありそうです。

「Part3 01 ビデオカメラの基本的なホールドを知っておこう」・・・いや、知ってます。右手でグリップベルトを使って持つんですね。
「Part3 02 ビデオカメラの基本的な構え方をおぼえよう」・・・ついにようやく少し役に立ちそうな情報が見えてきました。

  • 長時間動かずに撮影する場合、上半身をやや後ろにそらせることで、より楽にバランスをとることができます。

・・・お〜、言われてみればそのとおり。ついに出ました、役に立つ情報!これですよ!この調子です!

この調子で読み進めましょう。


「Part 4 撮影の基本をマスター」

この章にはいろいろありそうです!さあ読んでみよう!


  • ポイントは動を静で、静を動で

・・・急に禅問答のようなことを言ってきました。なるほど奥が深い!


  • ビデオカメラは動画を撮るモノなので、カメラを動かして普通だと思っている人もいますが、通常、撮影する対象物側が動いているため、フィックスが基本になります。

・・・これですよ!こういうことを教えてほしかったのです!

  • ズームアップは、多くのものがあるなかで、特定のものに注目したい場合に使います。
  • 逆に、一部のものを撮影しておき、ズームアウトしていくと、「全景がどんなものなのか?」と見ている人に興味を持たせることができます。
  • ズーミングの前後は一定時間同じ映像を撮ると効果的

・・・撮影入門みたいなものには必ずと言っていいほど書いてある「ズームなんか使うな!絶対使うな!どうしてもというときにだけ使え!」ということは言わないところが逆に初心者として使いたくなる機能はちゃんと説明しなくちゃというところなんですかね。この短い解説を書くのにもいろいろ葛藤があったのだろうなといらぬ勘ぐりをしたくもなりますね。

  • パンの速度によって、相手に見せる映像の印象も変わります。もし、風景の全域を相手に見せたいのであれば、ゆっくりと同じ速度で移動させた映像にします。見ている人は、ゆっくりと全景を楽しむことができます。これに対して、ズームインのときのように、パンによって離れた場所にある2つの映像の関連性を説明したい場合、途中のカメラワークの速度を上げることで、最初と最後の2つのシーンの印象だけを高め、2つのシーンの関連性を強調することができます。
  • 高い建物や風景を近くから撮影する場合、最大限に広角にしても1画面におさまらないことがあります。そんなときは建物の下から上に撮影すると、全体を一連のムービーで撮影できるとともに、その建物が大きなものであることを強調できます。チルトでおもに使われるのは、チルトアップです。

・・・ようやく専門的なかんじになってきましたね。これを読むだけでもうパンニングとチルティングをマスターしたような気分になれましたよ。


いよいよ「Part 5 シーン別撮影テクニック」

ソニーのハンディカムにある「シーンセレクション」やら「スポット測光」やら「ナイトショット」やら「テレマクロ」の機能を活用せよ、というようなことが書いてあります。
あー、そんな機能がありますね確かに。なるほど使ってみます。

この章にもちょこちょこと役に立ちそうなことが書いてあります。

「Part 5 07 小さな子供を上手に撮るためのテクニックー広角と子供目線」
  • 子供だけじゃなく周囲の状況も撮ろう
  • モノと一緒に撮ることで子供の大きさを表現しよう
・・・そうですね、そのとおりだとおもいます。それに尽きますね。

「Part 5 08 建物を上手に撮るためのテクニックーチルトとパン、看板」
・・・あれっ、さっきのチルトとパンについての説明と同じことが書いてあるぞ。

「Part 5 09 動くものを上手に撮るためのテクニックー広角とスペースの余裕」
  • 動くものを撮るときは広角を意識して撮る
  • 前方にスペースを空けてフォローで追跡する
  • 動きを追うか?情景を表現するか?
  • 動く物を静的に撮影

こうして箇条書きにするともうそれだけですね。これだけ読んで丸暗記すればもうオッケーな気分にすらなってきましたよ。


「Part 6 イベント撮影の成功ポイント」

・・・この章は役に立ちそうなことが書いてあるんですが、いかんせんボリュームが少ないです。トピックも少ないし、実例の映像を見せてくれたほうがなあ・・というものばかり。でもまあこうやってまとめて書いておいてもらえると、なるほどなというかんじですかね。

  • 目的のものだけをフォローするのではなく見る人に全体が伝わる映像を
  • 運動会などでも自分の子供だけを追いかけていてはダメ
  • 文化祭の演劇などではできるだけ芝居全体がわかる映像も撮影しておきましょう
  • 撮影前に段取りを考えておこう
  • 徒競走の映像などは、スタートよりゴール映像のほうが盛り上がるため、ゴール間近で撮影するためにはどこから撮影すべきか?など、ロケーションの予備知識も仕入れておくといいでしょう。
・・・これはちょっと目からウロコ。運動会の撮影をしたことないからで気づかなかった。このマメ知識はこの本を買って得た最大のポイントとなりました。かけっこのゴール地点をあらかじめ調べておいてそこに三脚を立てればいいわけですね。
  • 遊園地、動物園などは入り口も撮影しておこう
  • 乗り物は切符売り場、改札から撮影をはじめよう
  • 旅行では特徴的な建物などを撮影して場所がわかるように
  • 電車で移動するときは降りる駅名のわかる映像を撮っておくといい
 ・・・これは僕も知ってました。地下鉄で仲間で移動中のビデオを撮っていたことがありましたが、降りる駅に到着するところで車内の窓にスライドしてフレームインしてくる駅名の看板。これはとてもわかりやすい場所の説明になるのです。
  • ガイドさんの話や説明書き、地図なども撮影しておこう

「Part 7 ビデオを編集してDVDビデオを作ろう」

・・・この章はWindows VistaのWindows ムービーメーカーの説明に終始してます。僕としてはiMovie'09で説明してほしかったところなので残念ながら役に立ちません。ていうかWindowsムービーメーカーはVistaじゃなくてもXPでも一応あったし、僕もデジカメ動画を使って数本はWindows ムービーメーカーでビデオクリップ作ったことあるからまあ特に新しい発見はありませんでした。ということでこの章は6ページほどでしたが、ばっさり中身の紹介は割愛します。


・・・さて、全部読み終わってしまいました。じっくり読んでも30分くらいなものです。う〜〜〜〜ん。これで2000円は、やっぱ高いんじゃないかこれ。これにおまけでDVDがついていて、すべての説明にサンプルビデオがついていたり、何本かお手本となるビデオがついてきたりすればよかったんですけどね。

いつか僕の趣味がこうじていいビデオクリップができて、こういう解説がつけられるようになったら、DVD付きの解説本にして、2000円で売り出してみようかな。売れないだろうなあ。せいぜいブログネタですよね。タダで得られるノウハウを提供するブログとして一定数のリピーターを持つWebサイトが作れるかなあ、という程度ですよね。それにしても情報量として、これだけではどうなのだろうというのはあるので、これの何十倍かには膨らませないといけないだろうし。そう考えるとこの程度のボリュームで素人がつい手を出してしまう2000円の書籍にするというのは、実はいい商売なのかも知れません。

結論。上記の引用部分(・が一個ついている行)を読んでしまえば、もうこの本を買う価値ないです。どうしても読みたければ立ち読みで十分。
しかし、こういう本を書くという商売について考察する機会を得たということでよしとしましょうか。。

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